先日書いたように、このブログの6/3のアクセス数は5だった。
何度か「ブクマついてないかな~」と自分の記事を見に行った覚えがあるので、この5回はおそらく全部僕のアクセスだ。実質1である。
ところが昨日、大きな異変が起きた。
6/6の夜中に書いた伊藤勝子さんの記事が当たったようで、はてなのTOPページに大々的に取り上げられたり、
ソーシャルで拡散したりしたため、アクセスが爆増したのだ。
このブログは6/8の21時に書いているが、GoogleAnalyticsの実測値で現在のアクセス数は47600。24時までに50000くらいになりそうな勢いだ。
さらに、伊藤勝子さんの記事を見た朝日新聞さんから取材の問い合わせがあり、関連媒体のニュースに「スマホ入力」の情報を提供することになった。先日まで一人でページを何度も再読込していたのと比べて、まさかと思うほどのインフレ。
しかしこれ、実は僕にとって既視感がある現象だった。
僕が初めてこのアクセス爆発を体験したのは今でも忘れない、2002年12月10日。
当時の僕は「僕の見た秩序。」というサイトを500日以上も毎日更新していたのだが、一日のアクセス数はたったの35。少ない友人と親だけが見ているサイトだった。
ところが、2002年の12月9日に書いた「タマちゃん進化論」というコラムが当たり、
翌日に約30000人が記事を読んでくれたのである。
それを書いた時、僕は築40年を超えるであろう小さなボロアパートにいた。寒い冬だった。留年中の大学にも行かず こたつに入ったまま就寝。
寒さで起きてパソコンを開き、信じられない数値を見た時の驚きは今でも鮮やかに覚えている。
なんというか、世界が開いた気がしたんだった。
500日も更新し続けて全然反応のなかった僕のサイト。
いくらやっても無力だという絶望や、今後一生どうにもならずに終わる可能性は少なからずあった。当時の日本は24時間ネットに接続できる環境すら普及していなかったので、周囲の理解もまったくなかった。
だが、それ以上に大学卒業の見込みもなく、就活もせず、仕送りはなく、貯金も減っていく僕は「これ以上落ちる訳にはいかない」という極限状況下にあった。
そんな時、「アザラシとプボブサップが似ている」というバカな記事が当たったことで、
絶望的だと思えた
世界と僕との間にはまだ「突破口」がある。
この世界はまだ、工夫次第で干渉可能である。
という基本的な「秩序(order)」に僕は気づいたのだ。
バカなだけの記事に予期せず教えられた真実。この時に見えた悟りのような気持ちを後に僕は、「僕の見た秩序。」と呼ぶようになった。
あれから15年。
数えきれないほどの良いことや、少しの悪いこと。本当にいろいろなことがあった。
そして今、アクセス画面を見て驚いている僕の気持ちは、あの冬のボロアパートと酷似している。ここまでの類似は、もはやループしていると言ってもいい。
だが、ループものの鉄則は知っている。
「前のループと同じ行動を取らない」ことだ。
前のループでは「バカ記事に人生の一部を賭ける決意」をして、人生からいろいろな物を切り捨てるかわりに、名誉や人脈や経験など、本当にいろいろな物を得た。いわゆる等価交換である。
今回のループは、前のループではできなかったことに挑戦したい。
・エモいこと
・小賢しいこと
・個人的なこと
・人生のこと
・才能を眠らせている人が読んだら才能に目覚めるようなこと
年を取ったと思うかい?
年を取ったんだよ。
別に毎日更新なんてしない。
アクセス数を見て書きたいことを止めたりもしない。
そしていつか、迷った時は思い出そう。
こんな記事を書いた今日の空は、たとえ世界がループしても繰り返せないくらい、深く青く澄んでたな、って。