先日、AppleWatchを紛失した。
完全に僕の不注意なのだが、その時の状況がSFっぽくて面白かったので記録しておこうと思う。
その日は横浜でイベントに参加した後、野毛という場所で友人と飲んでいた。
AppleWatchは初代の発売日から使っており、こんなツイートがバズったこともあるのだが、
AppleWatchを初めて自宅に忘れたのだけど、手首の開放感とか、充電を気にしなくていいとか、心拍数が勝手に記録されていないとかで、精神的な開放感がすごい。「これこそイノベーション」という感じがする。
— 吉永龍樹(ヨシナガタツキ) (@dfnt) 2015年6月10日
僕は基本的に腕に何かを巻きつけるのが苦手で、着席時には外して机に置いている。
ところが、その日はテーブルがいっぱいだったので横の棚に置いてしまい、忘れて帰ってしまったのだ。
店から離れた後、時計がないことに気づきiPhoneを確認。
「AppleWatch 未接続」と出ているのでカバンやポケットなどの、10m以内には無いことがわかった。
その後、店に戻ってみるとうれしいことにiPhoneの表記が変わった。
「AppleWatch 接続済み」と表示されたのだ。10m以内にある!良かった!
さっそく、店員さんに事情を説明して前座っていた席と棚を見せてもらう。既に別の客が飲んでいたので、「申し訳ありません、AppleWatchを忘れてしまいまして…」と謝罪しながら時計を探した。
が、無い。
店員さんが「本当にここで落としたんですか?」と聞くので、iPhone画面を見せ「今、接続済みになっているので、10m以内にあるはずです」と説明し、もう少し探させてもらうことに。
すると、その席で飲んでいた3人の客が突然「帰る」といい出したのだ。
楽しく飲んでいたのを、僕が割り込んで邪魔してしまったのかもしれない。「申し訳ありません。全然飲んでいて大丈夫ですので!」と謝ったが、結局3人組はすぐに会計を済ませ、早々に夜の街に消えていった。
そして、ふとiPhoneを見て驚いた。
「AppleWatch 未接続」
に変化していたのだ。
心底ビックリした。
まだ電池は充分にあったし、その場から移動したのは彼らだけなので、たぶん今の3人の誰かが持っていったということなのだと思う。
だとしたら、僕は目の前で犯人と会話していたのだ(!)
ただ、彼らの気持ちになってみると言い出せなかったのも理解できる。
「お、居酒屋にAppleWatchが落ちてる、ラッキー」とポケットに入れることは誰だってするだろう。だがその後に持ち主が現れてしまった場合、なかなか「実はポケットに入れてました」と言い出すことは難しいと思う。
3人が同時に拾ったのであればまだしも、1人がこっそりと拾ったのであれば、告白しなくてよかった自らの罪を、仲間二人にも晒してしまうことになる。今後の3人の関係性にすら影響するかもしれない。