僕秩はてな

才能について考えたりしています。

数万人見ている時に文章を丸める方法

 

このブログを書き始めて一週間が経ったらしい。

 

はじめの記事に「ためしに一週間くらい書いてみます」と書いたのでこれで終わってもいいのだが、発見もあった。ブログを書くのが面白かったのだ

 

僕は2002年に僕の見た秩序。というサイトが当たってしまって以来、15年もの間「ずっと数万人が見ている状態」で文章を書くことに慣れていたのだが、実はこれには様々な制約があった。

 

数万人が見ていると、例えば「卵は白い」と書いた時に、

・白くない卵を知らないとは無知ですね

・白の定義をはっきりさせて論じて下さい

・私の卵は白くありません

・白だと言われる卵の気持ちにもなってみて下さい

というようなコメントがたくさん届くようになるのである。

「こし餡」を例にもう少し具体的に書かれたツイートを紹介するとこんな様子。

 

 

過激なジャンルなら読者が1000人くらい、僕秩のような全く攻撃性のないジャンルでも読者が約5000人を超えだすと、必ずこのようなコメントは届くようになる。

テキストサイトの時代からいろいろな人気サイトさんの話を聞いたが、概ね確率は一定の値で決まっているようである。おそらく人類の脳の構造の確率問題なのだろう。

 

 

 僕はもともと平和的な人間で、文章で事を荒立てたいわけではないので、できることならそういったコメントを最小化したい。

 

そうなると、読者の反応を最大に穏便化するためには

・なるべく断定をしない

・趣味趣向を強く押し出しすぎない

・スポーツや政治など、明確な答えがない話題を避ける

・ギャグにする

などの、さみしい処置が必要になるのである。

 

 これには15年で覚えてきたおびただしい数のテクニックがあるが、今日は僕の最近のツイートを例に出して説明しよう。

 

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例えば2週間ほど前に約800回RTされ、12万人くらいが見たこのツイート。

 

 

この資料を初めてみた時、僕は「すごい!」とポジティブな感想を持ち、「すばらしい資料!」というポジティブな感想を添えてツイートしようとした。

 

しかし、落ち着いて考えよう。

世の中にはこの資料にネガティブな反応をする人もいるはずだ。「役所の仕事は内容にかかわらず全部嫌い」という人もいるし、10万人いれば「親を経済産業省に殺された」ような人すらいるかもしれない。そういう人たちにとって僕の「すばらしい!」というツイートは目障りになるため、心無いコメントが届くようになるのである。

 

で、

それを避けるために僕が選んでツイートした言葉がこれだ。

 

 「破壊力高い。これを公開できたのすごいな…。」  

 

 

ポイントは、「ポジなのかネガなのか、どちらにも取れる」という部分である。

 

「すばらしい!」をやめて「破壊力高い」にすると、ネガポジの判断は視聴者に委ねられる。僕は心の中で「破壊力高いすばらしさ!」と思っているので、嘘をついているわけでもない。

 

こうすると、面白いことに両方の返信が届くようになるのである。

 

例えばこれ。 

 

「破壊力高い」をネガと捉えて「まぁまぁ、ヨシナガさん。それほどダメな資料ではないですよ」という優しいコメントを僕にくれている。

 

 

こちらはどうだろう。 

 

この方は、純粋に「破壊力高い」をポジと捉えてコメントしていると言えるだろう。

 

このように、自分の内から湧きだす「書きたい言葉」を一歩引いて押さえ、嘘にならない範囲で知恵を使って無難な言葉に書き換えることでネガコメも届きにくくなり、ポジの人もネガの人も反応しやすい、数値を最大化したツイートになるのである。ブログなら、当然人気になる。

 

 

 

・・・なるのであるが。

それはもう15年間もやってきた。多くの数値を獲得するかわりに僕個人の主張が薄まり、コンテンツとして「弱い」ものになっていることも知っている。

いわゆる等価交換というやつだ。

「ヨシナガのツイートや文章はなぜか多くの人が見ているが、内容が薄くてつまらない」と反感を持つ人も多いだろう。

 

 

 

 

と、ここにきて冒頭のブログの話だ。

このブログは全く告知しなかったのだが、はてなブログを開設しただけでは見知らぬ誰かに告知が行われることはまったくないらしく、本当に誰も見ていない。

例えば、6/3のアクセス数は5だった。全て僕自身だ(笑)

 

 

思うままに文章を書くのはこんなにも楽で面白いものだったのか。

長く忘れていた、自らのエゴを押し出したもの書き活動。

 

2001年からサイトを12年間も連続更新し、アルファブロガーアワードなどの名誉な賞を頂いたと人間は思えないセリフだが、

「軽い気持ちでブログを書いてみたら、なんか面白かった」

ので、もう少し、飽きるまで続けてみたいと思います。

 

よろしくお願いします。

(誰も見てないけど)