僕秩はてな

才能について考えたりしています。

マック赤坂さんを肉眼で見ると違った話

 マック赤坂さんが「酒に酔った女性への暴行疑い」という速報ニュースがツイッターで回ってきた。

これを見て、自分が5年以上前に書いたメルマガ限定のコラムを思い出したので、ここに再掲しておきたいと思う。

 


 

2013/4/16

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僕秩プレミアム!

デジタルどっぷりな世界から見た、日常の中にある小さな発見や雑感のコラムを不定期にお届けします。

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■ 肉眼で見ると違う話 (Writer:ヨシナガ)


マック赤坂さんという、選挙があるたびに立候補をしている方がいる。最近では2014年度の東京都知事選に立候補して落選した後、立て続けに大阪市長選に立候補し、落選している。

・スマイル党公式ホームページ-スマイルセラピーで大阪革命
http://smileparty.info/


僕はマック赤坂さんについて、おかしな選挙ポスターと政見放送しか見たことが無いので、勝手なイメージで

・落選するのは分かっているのに、どうして出るんだろう
・なんかぶっ飛んでる、怖い人なのかな…
・でも、選挙資金はあるお金持ちなんだろうな


と、なんとなくネガティブなイメージを持っていた。

ところが今年の都知事選選挙期間、マックさんが渋谷で街頭演説をしているのを偶然目撃する機会があったのだが、直接肉眼で見てその場の空気を感じた瞬間、全てが変わった。

「あ、僕のマック赤坂さんへの認識は間違っていたぞ」


と気づいたのである。

これまでとは全く違う真の答えに到達したので今日はそれを紹介したい。




渋谷駅のハチ公口を出ると、すぐ横でマックさんが演説をしていた。

政見放送で見るのと同じ全身タイツ?のような奇抜な格好だったのだが、そこで感じたオーラは「なんかぶっ飛んで怖い人」ではなかった。

マックさんの周りには渋谷の若い子、特に大学生くらいの女子がものすごい数集まり、みんなスマホで写真を撮っている。おそらく珍しいものを見たのでツイッターに投稿でもするのだろう。

そしてマックさん自身は、写真を撮られながら演説というよりはマイクを使って雑談をしていた。


「えー、みなさん、この演説はあと10分で終わります。この後一緒に飲みに行きたい人集まってね~。近くの居酒屋で飲みますよー。」

と言っていたのだ。そこで「えー!うそー?!」という歓声が上がり、女子たちは盛り上がっていた。恐らく友達に自慢するネタにするため、この後一緒に飲みに行くのだろう。


「あ、マックさんのこれは選挙活動じゃない。"モテ"テクニックだ……」


この瞬間、全てが腑に落ちたのである。



マックさんは65歳だという。

一般的な65歳のおじさんは、渋谷を歩いても黄色い歓声が上がって写真を撮られることも無ければ、ましてや女子大生たちと一緒に飲みに行く機会も無いだろう。おそらく死ぬまでずっと。


だが、マックさんはそれらを全て実現している。まるで芸能人のように。

お笑い芸人はモテるというのは有名な話だが、マックさんはそれを「選挙を使って実現」していたのではないだろうか。


それならば300万円という高額を支払い、当選しそうにない選挙に毎回出るのも納得できる。あれは自分のCMだったのだ。政見放送は6分だが、15秒で1000万円というCMの単価を考えると、300万円は安すぎるくらいだ。

そして政見放送に出ればみんなに顔を知ってもらえるので、それ以上のこと(選挙の当落)は彼には関係無かったのではないかという推測までできる。

むしろ都知事に当選してしまったら仕事が爆増したり、大阪の選挙に出られなくなってしまったりするので、落選した方が良いとさえいえる。


ただ、世の中には6分の政見放送だけでは顔や名前を覚えてもらえない凡庸な候補も多い。そう考えるとマックさんがあの6分になるべく強烈なインパクトを残すために、おかしな動きをしたり、変なコスプレをしたりしていることも納得できる。

政治家の政見放送としては大きく間違っているが、彼の人生にとっては、あの放送がベストだったのだ。

・ マック赤坂 2014年東京都知事選 政見放送
https://www.youtube.com/watch?v=rSdRsdGZZKA
(2018年追記:削除済みでした)


このように、ポスターや放送では分からないけれど、現場の空気で初めてわかった本当の温度感。一般的にWEBサービスは温度感を伝えるのが苦手と言われていますが、今まさに来ている動画時代、そしてその先。

今後はそこを伝えるサービスがどんどん躍進していくのだろうな、そんな事を考えさせてくれたマック赤坂さんのモテオーラでした(笑)


(ヨシナガ)


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悪意に対する感度が麻痺している話

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先日の「AppleWatchをなくした」話。

bok.hatenablog.com

珍しい事件だったので面白いと思って書いたのだが、読者の方からの反応を見てビックリした。

 

 読者コメント 

・いや返せよ泥棒ども

・遺失物横領なので警察に被害届だした方がいい

・3人が帰るのを示し合わせてたのなら共犯、仲など気にせず暴けばいい

・落としたAppleWatchを目の前で盗まれた話だった... これはひどい...

・うわ、腹立たしい…

・盗まれた可能性大有りなのに前向き~

 

 

かなり強い怒りのコメントが多かったのだ。

 

あれを読んだ親からも「残念だったね。けれど悪い人にはきっと罰が当たるよ」というLINEがきた。

 

皆がそろって同じようなコメントをくれるということは、ここは本来 怒っていいところだし、悲しむべき状況だったのだろう。

 

だが、当の僕はなんともなかった。

怒ってもいないし悲しんでもいない。「珍しい」とブログのネタにしただけ。

 

盗られたのは確かに残念だが、AppleWatchは遺品や日記のように「取り返しの付かないほど重要なもの」ではないし、そもそも発端は置き忘れた僕の過失だ。

そして、盗った側にもいろいろと事情があるだろう。あの場で言い出せなかった気持ちもわかるし、もしすごく貧しい人だったら売ることで生活が多少楽になったりするかもしれない。

 

そう話すと、「ヨシナガ、お前ちょっとおかしいんじゃないのか?」と言われた。

 

そう、どうやら僕は「他人からの悪意に対する感度」が麻痺しているようなのだ。

 

 

 いつからそうなったのか、考えてみると思い当たるフシが一つだけあった。それは、「過去にブログが大当たりした」ということである。

 

僕は22~23歳位でブログが大当たりして本になったりテレビに出たりと、チヤホヤされるようになった。それだけ聞くと良いことのように聞こえるがそうではない。すべての物事には両面がある。

 

輝かしい人気や数字を集めている裏では、

2ちゃんねるに住所を書かれる

・殺害予告など(多数)

トークライブに事件を起こしそうな人が来る(イベント中突然ヨシナガと叫び舞台に上がろうとした男性が来た→会場スタッフが警察引き渡し)

・炎上時、個人に集中する100万人単位の悪意

 
のような色々なことがあった。 個人サイトだったので世の中の闇の縮図のようなものを2002年からずっと個人で受け続けてきたのだ。

 

今でこそネットも完全普及したので警察も対応してくれるようになったが、16年前はサイバー犯罪の概念もほとんど浸透していなかったので、本当に為す術がなかった。
ツイッターの普及で、炎上時に芸能人に殺到するコメントは可視化され、誰にでも「ヤバさ」が想像しやすくなったが、当時はそんなものはなかったし、相談する相手もいなかった。

 

初めて見る強大な理不尽、理解不能な悪意。これが人間の本性なのか?
想像を絶する、普通の人生では一生経験もしないようなものをたくさん見た。炎上がYahoo!のトップに出ている時などは「人によっては、炎上で死ぬ人もいるんじゃないか?」そう思えるほどの強い圧だった。

 

だが、それらは得ているモノとの等価交換なのだろう。僕は幸運にもその中を生き延びることができた。おそらく、その中で悪意に関するセンサーが壊れたのだと思う。

 

 

先程の「悪い人にはきっと罰が当たるよ」というセリフ。

自分の身に不幸が降り掛かった時、そう考えるのは簡単だ。世界各国の宗教でもそう教えている。手軽に怒りを発散して安心できるからだろう。

 

ただ、世の中はそれほど単純ではなかった。

果てしない悪意を持つ悪人が悪の力で登りつめ、成功していくのも見た。そもそも悪という概念自体が相対的なものだ。他人を殺して登りつめたとしても、勝てばそれが正義に置き換わったりするのを見た。

 

世の中は果てしなく残酷で、果てしなく複雑だった。

 

なら、その中で戦うしかない。戦い抜くには強い力だけではダメで、平常心や自分を信じる心、そして仲間や環境が絶対に必要だった。

 

僕は基本的に好戦的な遺伝子を持っているので、戦う時は徹底的に戦う。自分がある程度勝負強いのも知っている。特に普通の人が緊張する本番にめちゃくちゃ強いのだ。恐ろしい悪意の中を折れずに走ってきたことも自信につながっているのかもしれない。

 

だが、本気で戦うことは自分がわずかでも悪に踏み込む可能性も孕むし、やりすぎると周囲との人間関係にも影響するだろう。相手を打ちのめすことも相手から見れば「悪」だし、自分が負けてボロボロになることだってある。

 

だから時と場所を選ばなくてはいけない。めったな事では怒りや戦闘のモードに切り替えてはいけない。その力は本当に自分の人生を左右しうる、重要な時に限って使うべきだ。

 

 そう思って生きる中で僕は、冒頭の「完全に感覚が麻痺した」状態になったのだと思う。

 

 この流れを理解していただくと、「AppleWatchを他人に拾われたこと」には理不尽さも悪意もほとんど感じないようになった状況が、少しは分かっていただけるのではないだろうか?

 

 そして 

悪意に対する感度が麻痺した後も人生は続く。
その後も「もの作り」を続けると、人はどこかで選択を迫られることになる。

・さらなる人気を手にし、さらに強大な悪意を受けるか?

・人気をここまでに限定し、今の悪意で食い止めるか?

・リタイアし、自分に対する悪意を消滅させるか?

世界に存在する悪意から解き放たれる方法はあるのか?そもそも、強大な人気を手にする必要はあったのか?

僕が15年考えてきた中でたどり着いた想いに関しては、またいつかブログに記してみたいと思う。

 

落としたAppleWatchを目の前で逃した話

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先日、AppleWatchを紛失した。

完全に僕の不注意なのだが、その時の状況がSFっぽくて面白かったので記録しておこうと思う。

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その日は横浜でイベントに参加した後、野毛という場所で友人と飲んでいた。

AppleWatchは初代の発売日から使っており、こんなツイートがバズったこともあるのだが、

僕は基本的に腕に何かを巻きつけるのが苦手で、着席時には外して机に置いている。

ところが、その日はテーブルがいっぱいだったので横の棚に置いてしまい、忘れて帰ってしまったのだ。



店から離れた後、時計がないことに気づきiPhoneを確認。
AppleWatch 未接続」と出ているのでカバンやポケットなどの、10m以内には無いことがわかった。

その後、店に戻ってみるとうれしいことにiPhoneの表記が変わった。
AppleWatch 接続済み」と表示されたのだ。10m以内にある!良かった!

さっそく、店員さんに事情を説明して前座っていた席と棚を見せてもらう。既に別の客が飲んでいたので、「申し訳ありません、AppleWatchを忘れてしまいまして…」と謝罪しながら時計を探した。

が、無い。



店員さんが「本当にここで落としたんですか?」と聞くので、iPhone画面を見せ「今、接続済みになっているので、10m以内にあるはずです」と説明し、もう少し探させてもらうことに。

すると、その席で飲んでいた3人の客が突然「帰る」といい出したのだ。

楽しく飲んでいたのを、僕が割り込んで邪魔してしまったのかもしれない。「申し訳ありません。全然飲んでいて大丈夫ですので!」と謝ったが、結局3人組はすぐに会計を済ませ、早々に夜の街に消えていった。


そして、ふとiPhoneを見て驚いた。

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AppleWatch 未接続

に変化していたのだ。


心底ビックリした。
まだ電池は充分にあったし、その場から移動したのは彼らだけなので、たぶん今の3人の誰かが持っていったということなのだと思う。

だとしたら、僕は目の前で犯人と会話していたのだ(!)


ただ、彼らの気持ちになってみると言い出せなかったのも理解できる。
「お、居酒屋にAppleWatchが落ちてる、ラッキー」とポケットに入れることは誰だってするだろう。だがその後に持ち主が現れてしまった場合、なかなか「実はポケットに入れてました」と言い出すことは難しいと思う。

3人が同時に拾ったのであればまだしも、1人がこっそりと拾ったのであれば、告白しなくてよかった自らの罪を、仲間二人にも晒してしまうことになる。今後の3人の関係性にすら影響するかもしれない。


 まとめ  ということで、
技術が発達して位置情報がわかるようになったものの、iPhoneのように単独で音を鳴らしたり、位置情報確認機能がついていなかったため、

「目の前にあるのがわかっているのに、回収できなかった」

という珍しいイベントが起きた僕のAppleWatch。拾った側も、僕が現れた時はさぞドキドキしたことだろう。

発売日からずっと記録していた活動ログが途切れるのは残念だが、

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これも何かの縁だと思って、積極的に次のモデルを購入していきたい。

 

 

天才と人間性

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先日、ラジオの収録で初めてお会いした方のツイート見て思い出したことがある。



僕はコツコツ努力型の人間なので全く天才ではないが、なぜか昔から「天才」と呼ばれることが多いのだ。


ラジオの例のように初対面の人はもちろんだが、学校のクラスやサークルから始まり、会社のグループ、趣味の合う友達、一緒にイベントを企画するチームなど、お互い全く面識のない人々からことあるごとに天才だと言われ続けてきた。
なんと、あだ名自体が「天才」になってしまい全く本名で呼ばれないグループすらある。



だが実際に僕は天才ではないし(二度目)、自称「天才」はむしろ経歴詐称のようになってしまい良くないと思っているので、一度も自称したことはない。どうしてこうなったのだろう。

はじめは、他の人も僕と同様の割合で天才と呼ばれているのではないかと思い観察してみたのだが、いくら見ても他人は全然呼ばれていない。呼ばれているのは赤ちゃんやペットくらいだった。

つまり、僕には「天才ではないが、他人に天才だと誤認させる何か」があるのではないか?

その詐欺的とも言える能力が何なのかをずっと考えていた。



 

パッと思いつくのはこのような要素だ。

・受け答えの速さ
・アイデアを出す速さ
・出したアイデアの強度
・実行に移す力
・未知のジャンルを学習する速度

いろいろ可能性はあると思うがどれもピンとこない。自慢に見えないように何度でも書くが、僕は努力型の人間なので別に天才ではないのだ(3度目)。ものづくりや学習能力の偏差値は69~70くらいなので低くはないが、僕よりもすごい人は学年に何人もいる。

 

 

そんな中で最近、「存在を天才たらしめる条件」めいた要素に到達することができた。

 

それは

・意味がわからなく「心の奥から理解し合うことが困難?」という空気を出している

人間っぽくない

ということである。

 

先の例で天才と呼ばれていた他の存在に赤ちゃんやペットを挙げたが、それらも「相互理解の困難さ」という点では同じ。

つまり、「こいつは仕事がそこそこできるかもしれないが、相互理解は困難だな」と感じたとき、人は他人を「天才」と呼んでいるのではないだろうか?

そもそも天才(genuis)の語源が「神性」らしいので「人っぽくない」のは当然とも言える。赤ちゃんもペットも人っぽくはない。僕もそうだったのだろう。ただ、印象がマイナスだと人から「天才」とは呼ばれないっぽいので、僕がかろうじてプラス側だったのは救いである。


 

 まとめ  そもそもこの結論に到達したのは、ここ数年で自分の人間性が高まると同時に「天才」と呼ばれる度合いが下がったように思えたのがきっかけだった。

僕が実際に何らかの才能を失ったのか、それ以外の要素があるのか…?

その結論が「相互理解の困難さ」だ。

もちろん、僕の才能も失われたのかもしれない。それでも人間らしく生きることに意味はある気がする。

天才でないことには「天才と呼ばれるのと同じか、それを上回ってもおかしくないほどのメリットはありそうだ…」と、天才でない今の僕は思っているのである。



 おまけ  蛇足だがこの仮説、逆は真ではない。
(天才と呼ばれるすべての人が「理解困難」なわけではない)

天才と呼ばれる人の中には、芸術その他に爆発的能力を持ちながら、人間的にも完成された複数スキル持ちがたくさんいるし、ダリさんのように「自分が天才である」というパフォーマンスを繰り返す努力により世間に「天才」と呼ばれるようになった人もいる。こういう人も根本の心情理解はしやすいし、きっとコミュニケーション力は高いだろう。

本記事のケースは、あくまで「僕の体験を元にした一例」と捉えていただければ幸いである。

 

 

超豚子炎

 

友達に新しく子どもが産まれるので、画数の良い名前を考えてあげようとWEBで姓名判断をした。

 

が、

何度やってもいい結果にならない。


みんなでムキになっていろいろな名前を試した結果、「伊藤 超豚子炎(ちょうぶたこほのお)」という名前がベストになることがわかった。

 

ちなみに友達の子は女の子です。

よろしくお願いします。

 

 

アニメを見ないのにアニソンばかり聞いている問題

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 なんとなく恥ずかしい気がして今まで人に言ったことがなかったが、集中を要する作業中はアニソンを聞いていることが多い。

 

人は20代までに聞いていた音楽で一生の好みが固定されると言うが、僕の場合はそれがJPOPだったらしい。クラシックやHIPHOPならかっこよかったのだが、そうはならなかった。

特に青春の時期に猛威をふるっていた「小室哲哉さんによるシンセサイザー感のすごい、女性ボーカルによるJPOP」が本当に好きで、大きな影響を受けることになった。僕には音楽的センスや才能があるわけではないので、麻薬的に単純な4つ打ちのリズム+機械的な転調+同じような周波数の女性ボーカルを好んだのだろう。

 

そしてチャートを独占していた小室さんのJPOPが沈静化してしまった2000年以降も同じような音楽を探して、海外のユーロビートを聞いたりしていた。

個人サイト僕秩2002年7月ログに「僕は見かけによらず、ちゃらちゃらしたユーロビートが好きなのですが」という記述が残っているが、あれから15年が経過した現在も僕の音楽的嗜好は何一つ成長していないわけである。

 


そして、ここ10年くらいだろうか、そもそもユーロビートというジャンル自体が古びて陳腐化していくに従って新規に聞ける曲が無くなっていった。そんな苦悩の中で「あ、これは代替になるかも」と見つけたのが、ほかでもないアニソンである。


僕はアニメを全く見ないし、声優さんのことも全くわからない。
反感を買うことも前提で正直に告白すると、萌えに関する理解力が全く無いため目が大きかったり露出が多かったりするアニメキャラクターがあまり得意ではないのだ。悲しいことにアニメを理解する才能がゼロだったのである。

 

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(だからこんなキャラしか描けないのだ・・・)

 

 

だがアニソンを聞く。

 


聞き方は簡単だ。知識が全く無いので、4つ打ちのユーロビート代替となる女性ボーカル音楽を探すために、音楽ストリーミングサービスやYoutubeで「アニソン」と検索して、出てきた音楽をそのまま聞くのである。

 

【例:加入しているAmazon music(定額聴き放題)でアニソンと検索して出てきたアルバム】

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クラシック好きは検索ボックスに「クラシック」と打ち込まないだろう。「マーラー」「ベートーヴェン」など作曲家を、もしくは「カラヤン」「グレン・グールド」など演奏者を検索するはずだ。

 

だが僕は作曲者も歌唱者も全く知らないので「アニソン」と検索するしかない。そのくらい無知なのだ。自慢じゃないがアニメ界では完全に情報弱者と言っていい。

 

 

そして、音楽サービスから名前もわからないアニソンが流れ続ける中で作業をしている時、「お、この曲はいいな!」と思って実際に購入を試みることがある。だがそんな時、検索するとかなりの頻度で表示されるのが「これはエロなのではないか?」と思しきアニメキャラクターのイラストだ。iPhoneに入れておくには若干抵抗がある。

 

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これどういう状況なんだ…

 

すごくエモかっこいい音楽から感じたイメージとイラストの違いに思わずブラウザを閉じてしまい、購入に至らないことが多い。

僕はコミケにも行くし、アニメファンにも全く偏見はない。だが僕自身は「アニメのことがわからない」という現実。

 要するに乖離しているのだ。

 

 

 好みの音楽と、その提供元コンテンツがずれているという珍しい状態に陥っているのである。

そのため、これまではアニソン仲間もいないし、作業中アニソンを聞いているという話も人に言ったことがなかった。アニソン経由で「あのアニメ最高でしたよね」「あの声優さんはいいですね」と話を振られても全く答えることができなくて肩身が狭いからだ。

そんな中でさすがに行き詰まりを感じてきたので、今日はここ数年聞いた中で僕がかっこいいと思ったアニソンをいくつか紹介したい。先程書いたように、ここに並ぶサムネイルイラストは職場で開くにはかなり破壊力の高いものが多いが、曲は90年代JPOPに負けないかっこよさである。(と、僕は思う)

 

 

 

 

-初出時、動画の埋め込みが多すぎてスマホで開けないとご意見を頂いたので2つを残してリンクに修正しました!(15:29)-

 

シグナルグラフ 歌詞つき - YouTube

TSU・BA・SA - YouTube

ちいさな彼女の小夜曲 OP マリンブルーに沿って - YouTube

小林さんちのメイドラゴン・OP/FULL,Ver - YouTube

Wake Up,Girls! / 恋?で愛?で暴君です! - YouTube

Punchline Opening | PMmusic - YouTube

恋は渾沌の隷也 歌詞付き - YouTube 

ななひら ~~ チョコレートグラビティ - YouTube

最強パレパレード 高音質 - YouTube

Yuiko Ohara (大原ゆい子) - Toumei na Tsubasa (透明な翼) - YouTube

【 高音質 】バカとテストと召喚獣にっ! 君+謎+私でJUMP!! Opening full - YouTube

【MAD】れでぃ×ばと!LOVE×HEAVEN 桜沢みみなver - YouTube

[Official Video] ZAQ - Gekijyouron - 激情論 - YouTube

けいおん! ED 「Don't say lazy 」 TS フルバージョン.wmv - YouTube

迷い猫オーバーラン! OP はっぴぃ にゅう にゃあ フル 歌詞つき - YouTube

コネクト - ClariS(クラリス) - YouTube

Nodame Cantabile Opening - YouTube

YUKI 『ドラマチック~Co beau ver.~』 - YouTube

ClariS 『Gravity』MusicVideo トレーラー映像 - YouTube

 

 

 

どうだろうか。

僕は芸術としての音楽はわからない。

アニソンは高貴な芸術とは遠く、わかりやすく同じようなコード進行&音圧のインスタントで麻薬的な作品が多いのかもしれないが、そもそも90年代のJPOPがそういうモノだった。おそらくだが、作曲者のみなさんも90年代のJPOPを聞いて育った人が多いのではないだろうか?これらのアニソンは、90年代JPOPの遺志を継いだとも言える、本当に素晴らしい作品が多いと思う。

だがやはり、ここで気になるのは表示されている絵だ。なぜか肌色の面積が異様に多い。

絵のインパクトが強すぎるので人にすすめることもできず、それ故「こういう曲をもっと知りたいけど、他にもないかな?」と誰かに聞くこともできず、僕はここ10年、ただひたすら検索してきたのである。

 

アニソン」と。

 

 


 

 

そんなわけで、

アニメも声優も全く知らないのに、作業中アニソンばかり聞いている問題。

 

もしお客様の中に「このリストなら、この曲も好きなんじゃない?」というおすすめができる知識人の方がいらしゃいましたら、ぜひはてなブックマークツイッターなどでオススメ曲を教えて頂ければ幸いです。

 

何卒、よろしくお願い致します。

 

 
※僕と同じ90年代JPOPロスの悩みを持っている人のご意見も絶賛お待ちしています!(いないかな…)

 

 

【2/13追記】 感想をたくさん頂いたので、反応の一部をまとめてみました。

togetter.com

 【2/20追記】こんな記事も。

fnmnl.tv

ハンターハンター連載再開!現在の登場人物数を数えてみた

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1/29、いよいよハンターハンターの連載が再開した。

 

 

以前30万人ほどに読んでいただいた

bok.hatenablog.com

では、登場人物が増えてマンガの内容が複雑になりすぎている事象についての原因分析を行った。

 

 

そして次の記事

bok.hatenablog.com

では読者からの情報を元に、キャラが増えすぎていくHUNTER×HUNTERが目指している作品は「キャプテン翼(ジュニアユース編)」だったということを発見してきた。

 

今回はその記事から連載も進んで更に登場人物が増えているため、本日時点で王位継承線編には何人の名前付き登場人物が出てきているのか?をメモとしてまとめてみたい。

 

 

 

現在(2018/1/29)わかっている登場キャラクターを書き出してみたものがこちらだ。

 

・カキン王
 ホイコーロ

14人の王子
 第1王子ベンジャミン
 第2王子カミーラ
 第3王子チョウライ
 第4王子ツェリードニヒ
 第5王子ツベッパ
 第6王子タイソン
 第7王子ルズールス
 第8王子サレサレ
 第9王子ハルケンブル
 第10王子カチョウ
 第11王子フウゲツ
 第12王子モモゼ
 第13王子マラヤーム
 第14王子ワブル


8人の王妃
 ウンマ
 ドゥアズル
 トウチョウレイ
 カットローノ
 スィンコスィンコ
 セイコ
 セヴァンチ
 オイト

 

兵隊(私設兵・従事者含む)
 第1王子
 バルサミルコ(=マイト)
 ビンセント
 バビマイナ
 コベントバ
 ビクト
 ブッチ
 ムッセ
 ヒュリコフ
 
 第2王妃
 マンダム
 スラッカ
 ニペイパー
 
 第3王子
 サカタ
 ハシトウ
 テンフトリ

 第3王妃
 ブラッヂ
 
 第4王子
 テータ
 サルコフ
 ミュハン
 ダンジン

 第4王妃
 ラロック
 
 第5王子
 マオール
 ロンギ
 
 第5王妃
 タフディー
 
 第6王妃
 ナゴマム
 バチャエム
 リョウジ

 第7王子
 サトビ

 第8王子
 ムシャホ

 第9王子
 シェジュール
 ユヒライ

 第10王子
 ロベリー
 ユウリ

 第11王子
 イラルディア
 ラジオラス

 第13王子
 ベレレインテ
 バリゲン
 ウェルゲー

 第14王子
 ウッディー
 シマヌシマノ表記あり)
 サンドラ
 カートン
 クラピカ

・クラピカの仲間
 ビスケ
 イズナビ
 ハンゾー
 センリツ
 バショウ

・幻影旅団
 
クロロ
 ノブナガ
 フェイタン
 フランクリン
 フィンクス
 マチ

・乗船客
 プオール
 (ヒソカ

・3大マフィア
 シュウ=ウ
 エイ=イ
 シャ=ア

・裁判官
 クレアパトロ

 

 

 なんと82人

そして、前回記事で見た構想メモに書かれていたものの、まだ登場していないキャラクター(ベータ、キトカッタム、リュビッヒ、モミイタ、ハイゼン、コミヤ、ピタクス、エリックス、ゾメーサ、等)も多数控えていることを考えると、キャラクターが100人に到達するのは時間の問題だろう。

 

ハンターハンター全話を何度も読み直す僕ですら、正直全員の顔と名前が一致するかどうか怪しくなりつつある。

 

さらに複雑化するハンターに、今後どこまでどれだけの読者がついてくるのかは完全に未知数だが、僕としては変わることなく全力応援して行きたいと思う。


めざせ!登場人物100人!



(もうマンガの楽しみ方の趣旨が変わってきている気がする)

 

Jアラートへの反応で見るそれぞれの日常

www.sankei.com

 

2ヶ所の小さな地震を「一つの巨大地震」と誤認して携帯のJアラートがなった件。

怒っている人もいるけど、それによってその人の日常の立場が見えるのがおもしろい。

 

日頃から部下を多数抱えている立場の人は、周りでミスが起こるのは当たり前だし、行動しないよりは「行動した結果の失敗」の方が企業やチーム存続の意味では価値が高いので、今回のような比較的無害なミスは「ミスだったけれど、よくしっかり動いた」とむしろ賞賛してもいいタイミングと感じるだろう。

 

一方、自分の立場が部下だったり、孤高のアーティストだったりする人は、「相手のミスを認めて将来のために受け止める」という人生経験自体があまりないので、「仕事が止まって迷惑だ、ふざけるな!」という反応になりやすいのだと思う。

 

人も立場も多種多様だからどちらが正しい行動というものでもないけれど、こういう日常の反応でその人のバックグラウンドがにじみ出てしまうのはおもしろいと思う。

 

 

 【1/20追記】

www.kanaloco.jp

8Kスーパーハイビジョンで手書きの絵を記録する

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 NHKを見ていたら、「8Kスーパーハイビジョンの超高精細カメラで原爆の絵を撮影」という特集をやっていた。

確かに8Kスーパーハイビジョンの技術は素晴らしい。


だが、画用紙に書かれた静止画を動画カメラで撮影して、本来のハイビジョン性能は活かせるのだろうか?

 

 

8Kスーパーハイビジョンは現在のハイビジョンの4×4倍、水平7,680×垂直4,320の画素数を持っている。だがこの8Kと呼ばれる解像度、実は静止画の世界では20年も前の技術と言えるのである。

 

コンピュータで印刷物を扱う方ならよく分かる通り、A4サイズの紙を600dpiでスキャンした時の記録サイズがちょうど7~8Kだ。 

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今から20年前、1996年には1200dpiの個人用カラースキャナが出ているので、これを使って原爆の絵をスキャンすれば今回のプロジェクトの2倍近い高密度で絵が保存できる。

 

96年といえば、まだハードディスクが1GBあたり30000円もしていた時代。現在のSDカードは1GBあたり50円以下なので隔世の感がある。コンピュータ的には太古に思えるあのころ、既に個人が画用紙をデジタル保存する技術は8K以上に到達していたのだ。

 

そのような解像度で2017年に、静止画を記録する意味はあるのだろうか? 

 


もちろんこれは「原爆の絵を残す必要がない」という事を言っているのではない。
原爆の絵は文化遺産として絶対残すべきだし、本当に貴重な絵は動画用の8Kカメラではなく、静止画カメラで専門の技術を使って残した方がいい気がするのである。

 

 

例えば「静止画を綺麗にデジタル保存する」という試みではキヤノン綴プロジェクトが有名だ。

 

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このプロジェクトでは、文化的に貴重な絵を一眼レフで複数回に分けて撮影。それらを綺麗につなぎ合わせることで極めて解像度の高い保存を可能にしている。

制作事例を見ると約2.2K(5760×3840)の画素数を持つEOS 5D Mark IIIの画像を20枚組み合わせているので、単純計算で約4億4200万(115200×76800)画素。各写真のつなぎ目は重複になるので1割ほど欠損したとしても、実に4億画素。

 

8Kスーパーハイビジョンと同じ言葉で表現すると実に100Kスーパーハイビジョン画像で絵を保存できることになる。まさに桁が違うし、こちらの形式で保存したほうが将来的な再印刷の際にデータも使いやすくなるだろう。

 


もちろん、8Kスーパーハイビジョン技術にはすばらしい仕様もある。それは動くという能力だ。

 

20年前には読み込みだけで1分もかかっていたこれらの美麗画像を、8Kスーパーハイビジョンでは1秒に60枚も処理できるのである。これはかつては絶対できなかった技術で、非常に価値があると思う。

 

と、なると、おそらく真に保存すべきは画用紙に書かれた絵ではなく、

 

・彫刻などの立体物を360度回りながら記録
→現在の技術なら3次元データを取得可能
・夜景、人混み、大量の葉など非常に細かい部分があり動く映像
・人間、動物

などになるのだろう。

 

原爆の絵プロジェクトについて調べると、数十年前にNHKからはじまった取り組みのようなので、記録データの解像度が低くても続けることに意味があるのかもしれない。実際それで救われる人もいるだろうし、次世代の教育にもなる。

 

ただ、広島平和記念資料館の館長さんが「8Kの描写力がすごい」と言っているインタビューを見ると、「もう少し高解像度で保存すればいいのにな…」と思ってしまうのだった。(←職業病)

 

 

あこがれの太みをめざして2

bok.hatenablog.com

6月に「太りたい」という記事を書いてから4ヶ月が過ぎたが、状況は逼迫している。

 

痩せたのである。

 

体重を増やすための努力を怠り、食事をサボったりしていたら9月にここ20年で最低の51.7kgまで低下してしまった。


僕の身長に対する平均体重である「70.49kg」と比べると19kgも足りない。これはまずい。以前、高須クリニックの高須さんが「小太りが一番長生きする、やせてるのはやばい」と言っていたのを見たことがあるが、命にかかわる観点でも現在の僕は確実にやばいコースだ。

 

 

前回記事で友人の「太りアドバイス」は

 

・深夜にカップ麺やポテチを食べる

・一日5食くらい食べる

・ケーキ屋でバイトをしていた時、廃棄商品を持ち帰り、一日2つ食べていたら太った

 

という不健康なものばかりだったが、それをふまえて再び友人たちに「健康的に太る方法」はないかと相談したところ、一人が画期的な案を思いついた。

 

粉ミルクである。

 

 

粉ミルクなら必要な栄養素は入っているし、飲みすぎて不健康になったという話も聞いたことがない。そもそも赤ちゃんを健全に育てるためのものだから、ポテチやケーキに比べて安全に太れるのではないかというのだ。

 

確かに、毎日深夜にラーメンを食べ歩くよりはだいぶ現実的な案に思えたので、早速購入してみた。

 

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すこやかM1という商品だ。「0ヶ月~1歳」と書かれている部分には目をつぶり、早速飲んでみる。

 

おいしい。

 

前に食べたドッグフードは塩分が全くなくまずかった。粉ミルクもある程度のまずさは覚悟していたのだが、練乳のような感じもあり想像以上に飲みやすい。僕はもう大人なので、独身男子の経済力に物を言わせて少し高い品物を買ったのも良かったのかもしれない。

 

「これで憧れの太みに近づく…!」

 

ついに太れるかもしれないという希望に満ちた高揚感に燃える僕だったが、そんな高鳴りの中、ツイッターでこんなコメントが届いた。

 

 

 「過去に大人が粉ミルクを飲んで入院した事例がありますよ」

 

twitter.com

 

 

いきなり届く、衝撃の事実。

苦しいが やはり ここは僕がなんとかしなくてはいけない。

 

そう、きっと別の粉ミルクだったんだ。

もっと変な成分を含んでいる安いメーカーのものとか…

僕は少し高いミルクを買ったし、この人とは全然違うはず・・・!

 

 

そう思いながら記事を見ると・・・

 

 

 

 

「すこやかM1」でした…

 

 

 

そして 僕は生まれゆく 時の中で

悲しさの仕草など 忘れてしまうのだろう

 

 

 

 

最近のハンターハンターにおける「キャラ増えすぎ問題」は意外な作品を意識していた

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前回書いた「最近のハンターハンターにおける「ストーリー練りすぎ問題」について考える」は25万人以上の方々に読んで頂き、コメントもたくさん頂いた。

その中で気になるコメントを見つけたので、今回はそれをもとに前回記事の結論である

 「冨樫さんはジャンプ史上最大人数による複雑なドラマを作ろうとしている?」 

 という推測が実際はどうだったのか?を裏付け検証したい。

 

 

該当のコメントはこちらだ。

 どうやらジャンプ本誌とコミックス以外のインタビューで、冨樫さん本人が制作の方針に言及している模様。そこで、さっそくインタビューが掲載されている商品を購入することにした。

 

買ったのは「ジャンプGIGA 2016 vol.2」と「ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(21)」の2つ。

 

 

ジャンプGIGAではNARUTO作者の岸本さんと対談をしている。

前回のコラムで書いたように、冨樫さんは長期休載可能という特殊能力を持っているため、時間が足りない週刊連載作家さんとの違いは冒頭の「キャラクターをどうやって作っているか?」という話題から際立っている。

 

冨樫:新しいキャラクターを出すときは、どちらかというとまず設定。でも落書きを書いて、そこから性格が乗ってくる場合もありますね。

岸本:そうですね。余裕のあるときとないときとで、キャラの作り方が変わってくるんですよね…。連載中に切羽詰ったときは、もう、進めなきゃいけないんで、絵を書きながらその都度決めて、キャラが後で自分でもわかってくる、みたいな。

引用元:ジャンプGIGA 2016 vol.2

 

冨樫さんの時間的余裕と、岸本さんの時間に追われる感じが対照的。

どちらが良いというわけではないが、原稿作成時に3時間睡眠で週刊連載を落とさずに続けた岸本さんと、制作に300日以上を使える冨樫さんとでは、やはり制作方法にだいぶ差があるのだろう。

 

そしてこの後、王位継承戦編の登場人数の話に。

 

冨樫:今回のシリーズはシンプルに、ものすごく人数を増やしたらどうなるだろうっていうのを、とにかく極端にやってみた。

岸本:作画が大変っていうか…。

冨樫:「話ですごい人数を出した」っていう人は、尾田先生もそうだけど、今までいるんですよね。それを意識しながらあえてやって、破綻しなかったらおもしろいなと。

引用元:ジャンプGIGA 2016 vol.2

 

やはり想定したとおり、「ものすごく人数を増やす」ということを意識的に行っていることがわかった。このインタビューでは例として尾田先生(ワンピース作者)が出てくるが、このあと「ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(21)」の中で、本当に目標としている意外な作品とその人数が判明することになる。

 

 

ジャンプ流は冊子&DVD&その他付録がついているセット。紙のインタビューも非常に興味深いのだが、今回はDVDの映像から王位継承戦編の制作意図について紐解いていこう。

 

決定的だったのは、DVD後半の「仕事場紹介」で冨樫さんが作業机の上のものを解説している部分。

 

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卓上に置かれた「キャプテン翼 ジュニアユース編」のキャラ一覧表を持ちながら、冨樫さんがこうコメントしたのである。

 

冨樫

私の中の記憶では、たぶん、キャプテン翼のこのシリーズが「一番ジャンプの中で名前のある人物が数多く出てた

今回のシリーズ(王位継承戦編)で、これを超えることを自分の中で裏目標にしている

 引用元:ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(21)

 

明確に、ジャンプ史上最大の登場人物によるドラマを描こうとしていることがわかった瞬間である。

 

前回記事で「実際のドラマは70~80人位の人数で描かれる可能性もある」と予想したが、上記のキャプテン翼のキャラシートには70名の顔と名前が書かれている。これを確実に超えるという事は、実際には100名規模のドラマになるのだろうか。

 

 

それを裏付けるのは横に置かれたキャラの設定資料。

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各王子の従事者は15名までとストーリーで決まっているため、それを考えると最大人数は

王子14人×従事者15人=210名

となるが、劇中で全員が出てくるわけではないと思っていた。ところが卓上の設定資料を見ると、ほとんど全員に名前が決められている様子が見えるのである。

 

ここに見えるだけで、ロンギ、ベータ、キトカッタム、リュビッヒ、モミイタ、ハイゼン、コミヤ、ピタクス、エリックス、ゾメーサ、等、劇中ではモブに見えるキャラにしっかりと名前が設定されている様子が見える。今にして思えば この「15名」という数字は、キャプテン翼の「11名(サッカー)」を超えることを意識して作られたのかもしれない。

 

さらに複雑なことに、従者は15人限定ではなくハンター協会の準協会員(150名が乗船)の中にも紛れているという設定もある。例えばそのうち5名は第4王子ツェリードニヒの部下であることが明かされているため、登場人物は単純に14×15=210とは限らず、14×20=280名程度まで膨らむ可能性もある。

 

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実際、最大の兵を保有すると第一王子の設定シートには25人の部下と名前が記入されているのがわかるため、前回記事で推定した「70~80人」という見積もりはかなり甘く、実際には100~200人が登場してもおかしくないのかもしれない。ジャンプマンガとしては前代未聞の複雑度だ。

 

50人が出ている現在でも既に「難しい」という声が多い中、登場人物が100~200人超となると多くのジャンプ読者は混乱してしまい、読み続けるのが困難になるだろう。1話だけをジャンプで読んでも「何が何だか分からない」ことになりかねないので、アンケート票数も下がってしまう可能性がある。

 

ただ、今回の挑戦は「未曾有の大人数を出す」ということなので、冨樫さんの中で目標が達成されればよいのだと思う。

 

実際アンケート票数に関しては、このジャンプ流の冊子の中に「票を取らないマンガを描きたい」幽☆遊☆白書終了後、レベルEをスタートする時)とコメントした話など、創作のモチベーションに関する興味深い話がたくさん出てくる。

 

 


 

ということで、

現在の50人にとどまること無く、100名以上が登場する可能性も見えてきたHUNTERXHUNTER。

 

今後、さらに複雑になる可能性がある本作だが、読者の反応を見て登場人数を制限するのか?それとも強い信念で新キャラを出し続けるのか?など見どころは多い。

 

どちらにしても、僕は変わらず全力応援していきたいと思う。

 

 

 

 (※個人の感想と推測です笑)

 

 

 

過去に書いたこちらの記事もオススメです

 最近のハンターハンターにおける「ストーリー練りすぎ問題」について考える

 【保存版】「週刊少年ジャンプ」の名作をアンケート順位とともに振り返ってみた

 

一触即発のちょいワル状態

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前回と、前々回のブログ記事、Googleアクセス解析を見たら「2つとも20万人以上の人が読んでくれる」という恐ろしいインフレ状態になっていた。20万人って。特に前回の記事は一日で23万人に達し、まだまだアクセスが増え続けている状態だ。

 

このままだと、自分の中でどんどんブログ投稿のハードルが上がって恐ろしいので、僕本来の姿に近い記事もどんどん書いてなるべく薄めていきたいと思う。

 

ということでコラム更新です。

 

 


■ 一触即発のちょいワル状態

 

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人間ドックには検尿や検便のメニューがあるだろう。

 

当然僕もドックを受ける時は採取するのだが、これを持ち歩いている時の背徳感というか、「ちょっと悪いやつ感」はすごくないだろうか?

 

なにしろ通常通りのすました顔をしていても、カバンの中には便と尿が入っているのだ。もし落として飛散してしまったら周囲の人を巻き込んで大惨事になる。

常に危険と隣り合わせの自分。これが噂に聞く「ちょいワル」というやつなのだろうか。(違います)

 

 

だが僕も30代後半だ。もはや「ちょいワル」の響きごときで興奮する年齢でもない。一度冷静になり、自らの精神の宮殿(Mind palace)の中で思考を巡らせてみよう。

 

論理的(logical)に考えれば検便を持ち歩いていない普段の状態だって、全員のお腹の中には便と尿が入っていると言える。つまり、万が一飛散する事故が起これば大惨事になる事実は日常も検便所持状態も何ら変わりがないのではないだろうか?

 

そう、検便があろうがなかろうが僕らはすべて危険物を所持した一触即発のちょいワル状態と言えるのである。

 

 

このように、冷静に論理的思考を巡らせることで「便を持っている自分だけはちょいワルである」という自惚れた状態になる危機を未然に防ぐことができた。論理的思考こそが人生を正しい方向に導くのだ。

 

みなさんも検便を持ち歩く時は決して過度の興奮状態になることなく、精神の宮殿の中で論理的思考を巡らせることをオススメしたい。

 

そう、僕らはすべて危険物を所持した一触即発のちょいワル状態なのだから…。

 

 

(違います)

 

最近のハンターハンターにおける「ストーリー練りすぎ問題」について考える

 

僕は HUNTER×HUNTER が大好きだ。

 

あまりに好きなので週刊少年ジャンプで毎週数回読み、全てを保存。単行本になった時にジャンプと文字や絵の差異を比較しながらまた何度も読んでいる。

 

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(C)集英社 週刊少年ジャンプ、HUNTERXHUNTER単行本より引用

 上(キメラアント編のノヴ潜入シーン)のように、ジャンプとコミックで差異のある部分は作者の制作意図がより濃く見えるため物語が更に面白くなるのである。

 

2005年からはmixiハンターハンターコミュニティの管理人もしている。mixi最盛期は10万人近い大所帯で、現在も86000人が在籍。設立から12年にもなる古株コミュである。

 

そんなハンター好きの僕だが、最近周りの友人と話をするとこう言われることが増えた。

 

「最近のハンターはよくわからない」
「難しくて文字も多いので前ほど面白くなくなった」
「登場人物が多すぎて読まなくなった」
「複雑なのでジャンプで読むのを止めて単行本を待つことにした」

 

この感想、ハンターファンの僕としては悲しいと同時に驚きだった。

 

僕は尋常ではない回数読んでいるので気づかなかったが、確かに最近のハンターは登場人物やストーリーの内容が複雑化していることは否めない。

 

例えば、最新単行本の「ヒソカvsクロロ戦」は複数の能力の同時使用とそれらの相関関係の矛盾から、実はタイマンではなく第三者(旅団メンバー)がクロロを手伝っていることを推測させるという複雑さだったし、あまりにわかりにくかったためか作者自身が単行本の最後に「解説コメントを書く」という異例の対応も取られた。

 

そして最新の「王位継承戦編」は、わずかな連載期間にものすごい数の人々が登場する。現在(2017/8/8)わかっている登場キャラクターを書き出してみるとこんな具合だ。

 

14人の王子
 第1王子ベンジャミン
 第2王子カミーラ
 第3王子チョウライ
 第4王子ツェリードニヒ
 第5王子ツベッパ
 第6王子タイソン
 第7王子ルズールス
 第8王子サレサレ
 第9王子ハルケンブルグ
 第10王子カチョウ
 第11王子フウゲツ
 第12王子モモゼ
 第13王子マラヤーム
 第14王子ワブル


8人の王妃
 ウンマ
 ドゥアズル
 トウチョウレイ
 カットローノ
 スィンコスィンコ
 セイコ
 セヴァンチ
 オイト

 

兵隊(私設兵含む)
 第1王子
 バルサミルコ(=マイト)
 ビンセント
 バビマイナ
 コベントバ
 ビクト
 ブッチ
 ムッセ
 ヒュリコフ
 
 第2王妃
 マンダム
 スラッカ
 ニペイパー
 
 第3王子
 サカタ
 ハシトウ
 
 第3王妃
 ブラッヂ
 
 第4王子
 テータ
 サルコフ
 
 第4王妃
 ラロック
 
 第5王子
 マオール
 
 第5王妃
 タフディー
 
 第6王妃
 ナゴマム
 バチャエム
 リョウジ
 
 第14王子
 ウッディー
 カートン
 サイールド
 ビル
 シマノ(シマヌ表記あり)
 サンドラ

 

上に挙げただけでなんと50人いる。

 

相当なマニアでも、全員の顔と名前が一致する人は少ないのではないだろうか。

そしてこれ以外に、これまで名前も判明していなかったクラピカの師匠イズナビら既存のキャラ(ビスケ、イズナビ、バショウ、センリツ、ハンゾー)や、十二支ん、クロロら旅団、ホイコーロ王、そして画面に重要っぽく映り込むものの、まだ名前が判明していない私設兵の数々が絡むので、実際のドラマは70~80人位の人数で描かれる可能性もある。

 

50人以上それぞれがモブではなく名前を持ち、キャラが立っているのは本当にすごい。僕は大好きだ。

 

だが、少年ジャンプの読者はその複雑さについて来られるのだろうか?

 

答えはおそらくNoで、それが先ほどの「難しくて読むのを止めてしまった」という感想につながっているのだと思う。

 

 

 

一方、ここで作者の冨樫義博さんの気持ちになって考えてみると「そんなことは百も承知」なのだろう。

 「ヘタッピマンガ研究所R」におけるインタビューでは「ネームの真理に一番近い男」と呼ばれていた冨樫さん。これまでのヒット作を見ても、狙ったキャラ密度&複雑度で大多数の読者が好むような"売れ線作品"を作るのは難しくないはずである。

 

それならどうして、現在の事態が起きているのか?

 

ここからは推測だが、冨樫さんは「人生でこれ以上、大衆受けするものを制作しても前と同じものを作っている感が否めないし、それはドラゴンボールやワンピースが既にやっているので、未踏の地ではない」と思っているのではないだろうか。

 

奇しくもハンターの中に「未踏を舐る(ねぶる)」というセリフが出てくるが、それと同じように冨樫さんは「少年ジャンプ史上、誰もやったことのない複雑な大量キャラが入り乱れるドラマを作る挑戦をしている」ように見えるのである。

 

もちろん、その複雑度によってライトな読者は離れて人気は落ちるだろう。

だが、人気の頂点競争は既に20年前に見た光景のはず。もうアンケート順位なんて下がってもよいのだ。いつまでも同じものを作り続けて人気のインフレ競争に再度突入するよりは「誰も作ったことがないもの」を作ったほうが本人のテンションが上がるのではないだろうか。

 

何よりこれを後押しするのは「冨樫さんのみが現在の少年ジャンプで一年以上の長考を許される」という特殊すぎる状況である。

 

 

週刊連載の作家さんは本当に忙しい。

数日でネームを書き数日でペン入れ。すぐに次の締切が来てしまうため、ほとんど時間がないのだ。全盛期の鳥山明さんは週に4時間しか寝られなかったというエピソードもあるし、ワンピースの尾田栄一郎さんは「深夜2時-5時の3時間睡眠」とコメントしている。(参考

そんな中で、短期間に50人もの登場人物の外見、性格、主義主張などを生み出して無理なく配置するのは時間的に無理がある※。作家の能力的に不可能なのではなく「週刊連載という時間的に無理がある」のがポイントだ。

例えば、ワンピースの「マリンフォード頂上戦争」も40人~50人のキャラが出てくるが、王下七武海や海軍大将、インペルダウン脱獄囚など以前から設定の固まっている既存キャラが多くを占めている。

 

現在のジャンプ作家では冨樫さんのみが「長期休載可能」という特殊能力により、この時間的制約を免れている。

 

もし人気作家陣の中で自分だけが「ストーリーを練る時間を自由に捻出できる」と気づいたら、あなたはどうするだろうか?他の作家が3時間睡眠の中、3日でストーリーを考えているのに対して、自分だけは300日~600日という時間をかけることができるのだ。

 

おそらく答えは同じ。

週刊連載のワンピースやドラゴンボールでは絶対にできなかった複雑に練りまくったマンガを作り、50年近いジャンプの歴史で他に似たものがない作品を後世に残す

ことにチャレンジするのではないだろうか?

 

 


 

ということで、


確かに複雑でライトユーザーが離れつつあるかもしれない現在のHUNTERXHUNTER。

だが「10週連載して1年以上考える」という連載ペースの関係上、今回の継承戦編はジャンプ史上前例のないほど複雑で濃密な作品に仕上がる可能性が随所からにじみ出ている。

 

そんなHUNTERXHUNTERを、僕はこれからも全力応援していきたいと思う。

 

 

 

 

(※個人の感想です笑)

 

 

続編記事を作成しました!

bok.hatenablog.com

 

■ 過去に書いたこちらの記事もオススメです

【保存版】「週刊少年ジャンプ」の名作をアンケート順位とともに振り返ってみた

 

「5%の確率で性器を露出するドラえもん」の消滅(と復活)

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ついにその時が来た。

5%の確率で性器を露出するドラえもん」が消滅したのだ。

 

知らない方のために説明すると、5%の確率で性器を露出するドラえもん」とは、二時間に一回ランダムでドラえもんひみつ道具をつぶやく人気のTwitterBOTだ。

通常は「どこでもドア」「タケコプター」等、普通の道具をつぶやいているのだが、名前の通り5%の確率でひみつ道具ではなく「チンポ(ボロン」とつぶやくのがミソである。

 

初めは数千人のフォロワーの時期が長かったが、ある時期からこんな噂が広がるようになった。

 

5%の確率で性器を露出するドラえもん」がチンポを出した時に、ソーシャルゲームのガチャを引いたら、超レアなカードが出た

 

と。

 

それ以降、ソシャゲのレアカードを求めた人が殺到し、ドラえもんの出す道具に多くの注目が集まるようになった。

 

5%の確率でチンポが出た時は、瞬時に10000回以上のRTがされ、多くの人がお祝いリプライを送る、まさに「祭り状態」となる。

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リプライ欄には「おかげでレアカードが出ました。ありがとうございます。」という書き込みが並び、さながら天国のような状態である。

 

 

一方、残りの95%、ちんぽが出なかった時の書き込みはひどい。

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レアカードが欲しいあまり、「はやく出して下さい」という恫喝や懇願が並び、まさに地獄のような状態なのである。

 

 

(もともと何の根拠もないのだが) ソシャゲのガチャを引く「チンポタイミング」を逃さないため、AppleWatchに設定する人も現れたり、

 とにかく話題に事欠かない現代TwitterらしいBOTだった。

 フォロワーの増加もすごく、

 

 

5月5日 56000フォロワー

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5月10日 106000フォロワー

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6月5日 171000フォロワー

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7月10日 211000フォロワー

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と、僕の記録しているだけでも21万フォロワーまで増加していた。

最後の画面でキャラ画像が消えているのは、著作権の問題である。

 

 

そして本日7月19日

AM1:26の「ころばし屋〜」というひみつ道具ツイートを最後に、ドラえもんは消滅した。

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永久凍結となったのだ。

 

現代の日本のTwitterBOTを象徴するような存在が消えたのは残念だが、いろいろな意味で(本当にいろいろと)アウトだったことは間違いがないので、今日は5percent_Doraの消滅を悼んで

 

「本当に5%の確率でチンポは出ていたのか?」

を検証したいと思う。

 

 

僕が記録している最古の書き込みは2016年7月6日17:51の「着せ替えカメラ~」というもの。ここから一年以上、消滅までの4059書き込みを全て保存してあるが、その一覧がこちらだ。

 

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タップで拡大

 

バーコードのような図だが、青字が通常の道具、オレンジの線が「チンポ」である。

 

こうやって見るとチンポの出現率には若干偏りがあることがわかる。最短で12時間、最長で一週間ほど出ないなど、宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎにも見える偏りだが、確率を計算するとこうなった。

 

4.311%

 

 5%じゃなかった。試行回数が4000overとかなり多いことを考えても、だいぶ少ない。また、特定の期間だけをランダムに抜き出しても4.25%~4.39%を超えることはほとんどなく、5%の確率で性器を露出するドラえもん」は、ややサバを読んだ名称、正確には「4%強の確率で性器を露出するドラえもん」が正しいのだろう。

 

確認できた道具の数は95。

最も出現が多かったのはチンポを除くと「グルメテーブルかけ〜」「翻訳コンニャク~」のそれぞれ72回。

最も出現が少なかったのは「名刀電刀丸〜(2016/8/11  11:41:37)」の1回。もっともこれは「名刀電光丸〜」の誤字ツイートだったようで、名刀電光丸~」の方は47回登場している。

 

ここからは想像だが、このTwitterBOTは100個の文面をランダムでつぶやけるシステムだったのではないだろうか?100のうち5つが「チンポ」、残り95個がひみつ道具ならぴったり5%というわけである。

ただ、電光丸のように人的なミスが有り、実際には利用されない枠ができた。それを別の道具で埋めることができずにチンポの数を暫定的に4つに減らし、他の道具も削ることで「暫定5%」を謳ったのではないだろうか。

確率的には4/92=4.35%がかなり近いように思える。92個のひみつ道具のうち4つがチンポだというのなら、4.5%を確率的に超えられないことにも納得がいくだろう。

 

 

ということで、

嵐のように登場し、20万人以上が注目する中派手に散った5%の確率で性器を露出するドラえもん」。

 

どうか、安らかにお眠り下さい。

 

 

 

追記:
別アカウントで復活してるっぽい…?!

囲碁AIと将棋AIの「技術力の差」が気になる

 

この二ヶ月、世界では囲碁 vs AIに決着がついて話題になり、日本では将棋 vs AIに決着がついて話題になった。

 

 2017年5月21日
佐藤名人がソフトに連敗「私にない将棋観や構想」 - 社会 : 日刊スポーツ

 2017年5月23日
“人間界の最強棋士”柯潔九段、アルファ碁に完敗 : 国際 : ハンギョレ

 

もう永遠に人類がAIに勝てることはないのだろうが、それよりもこのニュースで僕が気になっていたのは「世界と日本の技術差」だ。


そもそも、IBMのディープブルーがチェス王者のカスパロフを破ったのは1997年のこと。「チェスの全ての手の可能性は10の120乗」だと言われているから、1997年当時の最新マシンは10120の量の計算をこなすことができたわけである。

参考:https://wirelesswire.jp/2016/01/49806/

 

あれから20年。

「将棋の手の可能性は10の220乗」だというので、20年で日本の盤面ゲームにおける技術は「10の120乗→10の220乗」という進化をしたことになる。

 

では囲碁はどうだろうか?

囲碁は盤面が大きいのもあり、なんと「手の可能性は10の360乗」なのだという。


もちろん将棋と囲碁ではルールが全く違うので単純な計算量だけで論じることはできないのかもしれない。ただ、普通に考えると

 

1997年→10の120乗

2017年の日本→10の220乗

2017年のアメリカ→10の360乗

 

と、かなりの差(20年分くらい?)をつけられてしまっているように見えるのが悲しい。同じ2017年5月の話題なのに…。

 

今後、日本でも囲碁AIの開発は進むのだろうか。それとも、そもそも上の数字で比較すること自体が間違っているのだろうか。

 

 

ということで、


 

「AIが棋士と対戦するニュース」を見るたびに気になってしまう現在の世界と日本の技術力の差。

 

もしこの差について詳しい方がいらっしゃれば、ぜひお知らせください!